新山沙樹 interview

2019年、新卒でTOHOシネマズに入社。「TOHOシネマズ水戸内原」で1年勤務した後、「TOHOシネマズ日本橋」でフロア、シフト・CS(カスタマーサービス)、コンセッションを担当。現在は経験の幅を広げるべく、本社商品開発部物販商品開発室でさまざまな業務に当たっているが、ここではマネージャーとしての経験を中心に語ってもらった。

人との関わりを大切にしながら映画を提供する

映画好き×学生時代の接客経験から映画館の仕事を志した新山のモットーは、「お客様にGOOD MEMORIESを提供するためには、ここで働くこと自体がGOOD MEMORIESである必要がある」ということ。新山がそう思う理由には、マネージャーの仕事の本質が表れている。

映画館を通じ、社会現象とも言える作品を提供できる

私は学生時代から映画が好きで、映画に関わる仕事をしたいと思っていました。また大学時代は4年間、ファストフード店のアルバイトをしていて、その経験を活かしながら映画に関われる仕事として興味を持ったのが映画館。好きな映画をきっかけに英語に興味を持つなど世界が広がるという体験をしたので、そうした機会を提供できるという意味でも、この仕事に魅力を感じました。

実際に働いていると、上映スケジュール登録など絶対にミスできない事務仕事がある一方、緊急対応も数多く発生するという難しさはあります。ですが、映写室からスクリーンを見ていると「映画館で働いているな」という実感がわきますし、アルバイトスタッフを含めた多くの人と関わりながら働けることはとても楽しいと感じています。

とくに印象に残っているのは、日本橋でフロア担当をしているときに迎えた大ヒットアニメ作品『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の公開です。初日は5スクリーンを使って上映し、大勢のお客様に入場者特典をお渡ししなければならなかったのですが、日本橋はロビーも狭く、チケット確認時に特典を渡す通常の方法ではロビーに人が溢れてしまいます。そこで、入り口ではチケット確認のみ行い、その奥の廊下の曲がり角部分のスペースで特典を配付する方法を考えて提案。これが採用されて、無事スムーズに特典をお渡しすることができました。

他にも、スクリーンの間違いがないようにご案内をする、上映終了後は短時間で着実に清掃を行うなど苦労は多かったのですが、社会現象とも言えるような作品を提供する一員となれたのは大きな喜びです。早朝からの上映に備え、始発電車が動き出すより早く、社員もアルバイトもみんなでタクシーを相乗りして出勤したのも今はいい思い出です。

自分だけではできないからこそ、スタッフが笑顔で働ける工夫をする

先ほどのアニメ作品では、上映終了後に泣きながら出てきたり、感想を語り合っているお客様もたくさんいて、そうやって作品から何かを感じてもらえたんだな、心に残る貴重な体験を提供できたんだな、と大きなやりがいを感じました。

そういう映画をつくってくださるのは製作の方々ですが、鑑賞した映画館で、たとえば「忘れ物が戻ってこなかった」とか「従業員の態度が悪かった」といった体験をすると嫌な記憶が残り、作品自体の印象を変えてしまいかねません。それはとても残念なことですし、あってはならないこと。そういうことがなく、感動をよい思い出として持ち帰っていただけるよう、プラスアルファのよい気持ちで帰っていただくのが我々の使命だと思っています。

とはいえ、こうしたことはマネージャーの思いだけで実現できるものではありません。実際にお客様に対応するのは主にアルバイトスタッフ。そんな彼らが笑顔で働けるよう、「TOHOシネマズで働くことがGOOD MEMORIESである」と感じてもらうことが、マネージャーとしての私のモットーです。そのためには、しっかりと目を見て話し、ときには仕事以外の話もする。そうやって、最初は苦労していた学生アルバイトスタッフが成長し「新山さんと働く日は頑張れた」と言って卒業していくのは嬉しいですし、その後はお客様としてTOHOシネマズに来てくれる姿を見ると、使命を果たせたように感じます。

可能な限りの経験を積み、支配人、そして全劇場のための仕事へ

社員として可能な限りいろいろな仕事を経験したいと思っていて、先日自ら社内FA制度に挑戦。いったん劇場を離れ、希望していた本社商品開発部に着任しました。現在は本社のストア担当として、グッズやパンフレットの調達や、各劇場への割り振りを行っています。劇場にいるときには見えなかったグッズメーカーさんなど取引先と直接やり取りをするなかで、現場で起こるトラブルがどのように外部に影響するのか、といったことも分かるようになってきました。

今後はしばらく本社で経験を積み、ジョブローテーションの終了する3年後を目途に劇場に戻りたいです。そのあとは、まだ経験していない新劇場の立ち上げと、全国さまざまな劇場での勤務を経験して、そのうえで副支配人、支配人を目指せたらいいなと思っています。

お客様とスタッフがいる場所が仕事の現場

兼子隆生

「愛される劇場」をつくる人になる

木村百花