商品開発部 商品開発室
堀口貴夫(室員) interview

キャリア変遷

2014年に入社。
「TOHOシネマズ熊本サクラマチ」の開業を含む3劇場で5年のマネージャー経験後副支配人に昇格。2020年3月から現在の部署で勤務。

商品開発部
商品開発室


作品とフードをともに楽しむ「文化」の創造へ

劇場で販売されているドリンクやポップコーンなどの飲食物。それらを自社開発しているのも、70以上の劇場を展開するTOHOシネマズならではの特色だ。では劇場ならではの飲食物とは何なのか?開発を担当する商品開発部商品開発室の堀口貴夫に語ってもらった。

お客様の思い出に残る飲食物を、
自分の手で作りたい

商品開発室には「劇場で販売する飲食物の企画・開発」と「劇場で販売するパンフレットやグッズ類の仕入れ」という2種類の仕事がありますが、私はこのうち飲食物の企画・開発を担当しています。

振り返れば、学生時代に劇場アルバイトを経験し、そのままこの業界に就職して劇場の仕事を一通り経験してきましたが、中でも最も印象的だったのは飲食販売の仕事でした。映画館の飲食商品には面白い商品が多く、たとえば『レインボーチュリトス』のような、他で見たことのない商品を目にしたときのお客様のリアクションがとても魅力的なんですね。お客様が感動し、写真に撮りたいと思い、そして思い出に残る。いつしか「僕もこういうモノをつくりたい!」と思うようになったのです。

そんなわけで、商品開発部から社内FAがあったときには迷わず志願。念願かなって2020年の3月からここで働くことになりました。

喜ばれる商品をつくるために、常に「付加価値」を探す

具体的な仕事の流れは、①商品のアイデアを出す、②メーカーさんに試作品を作ってもらう、③劇場で作ってみる、④フィードバックの繰り返し。週に1日は、何十種類ものフードやドリンクを試食してメーカーをはじめとする取引先の方々と話をしています。社外の方とのやり取りが多い仕事ですが、立場としては自分がリーダー。細かい専門知識はお任せしても、大筋については自分が分かっていないといけないので、商品知識については日々意識して取り入れるようにしています。ちなみに、立川立飛で初めて導入されたドリンクバーでは、カップやストローなど資材の提案をしましたが、そういった仕事にも商品知識は欠かせません。

開発のポイントは「劇場で売り上げにつながるもの」ということになりますが、それはつまり「お客様に喜んでいただける商品」ということと同じ。手にとって楽しく、他にはない付加価値を楽しんでもらえるように、私自身がお客様の立場になり、どういうモノに付加価値を感じるか?を常に考えています。自分がファストフードなどを利用するときにも、ついそういった視点でヒントを探してしまいますね(笑)。

「今、劇場に足りないもの」、逆に「今、劇場で売れているもの」、あるいは「今、ちまたで流行っているもの」などさまざまな「今」にも常に注目しています。たとえば今、コロナ禍の影響で、劇場ではファミリーの飲食利用が減っています。そんな中で、どんな商品なら買っていただけるのか?コロナ禍で外出機会が減少しているわけだから、「少ない外出の機会をより楽しめるもの」という発想はどうだろうか?といった具合です。

そしてもしこの状況下で、多くの子どもたちに支持されるような飲食商品が生み出せたら、その子たちが大人になったときにも映画館で飲食を楽しむという文化の種まきにもなるはず。そんなふうに考えると、コロナ禍は大変な事態ですが、将来につながる課題を考える絶好のチャンスとも感じています。

作品+飲食=映画館という文化を生み出したい

映画館の飲食物には、たとえば「暗い中で口にするものだから串などとがったものは避ける」などの注意点はありますが、他のファストフードやテーマパークにはない、「映画館ならではの飲食物」となるとその定義はなかなか難しいものです。そんな中で「映画館といえば◯◯」「◯◯といえば映画館」という結びつきを感じてもらいたくて実施したのが、ポップコーンとコーラのセットをお得に販売する月に一度の「POP & Coke Day」というキャンペーン。他にも、劇場にしかなく、非日常を感じさせるような楽しい食べ物を開発したいですね。

「今」を取り入れることも大切ですが、どこにでもあるものでは意味がない。その狭間で大成功したのが『レインボーチュリトス』で、レインボーカラーという流行を取り入れつつ、チュリトスとしては他にない商品として支持されました。この仕事に就いて1年弱、それに匹敵する商品はまだ生み出せていませんが、いつかは自分の手で作り上げたいと思っています。

商品開発室での仕事を通じてさまざまな学びがありました。たとえば「目の前のお客様を喜ばせる」視点に加え、「商品を通じてより多くのお客様に映画館ならではの楽しさを届けていく」という視点が持てたのは大きな変化。取引先とのBtoBのコミュニケーションも、貴重な経験だと思っています。

今の目標は、「この作品が見たい」だけでなく、「これが食べたい」から劇場に足を運ぶような新商品を作り上げること。さらにはそういう「文化」を作り上げたいと思っています。そして将来的にはまた劇場に戻り、商品開発室での経験を活かして何ができるかを考えてみたいですね。

「映画館を訪れる理由」をつくる仕事 

マーケティング企画部
菱沼一茂(室長)

全ての社員が「楽しく働ける」ために

運営研修室
角田麻美(トレーナー)