学生時代にはメディアについて学び「エンタメと人」への関心から新卒でTOHOシネマズに入社。現在4年目。TOHOシネマズ秋田で約1年半の勤務後、社内FA制度を利用しTOHOシネマズ門真(大阪)の開業マネージャーとして活躍。現在は全国でも有数の動員規模を誇るTOHOシネマズなんば(大阪)にて奮闘中。
作品への愛でつながるお客様との共感を
「GOOD MEMORIES」に変えて
「作品と人が出会う瞬間」が好きで映画館で働くことを選んだS.M.。日本有数の大劇場で多忙な毎日を過ごしているが、お客様への共感で「GOOD MEMORIES」を生み出すべく、自分自身も楽しみながら奮闘している。
「作品と人が出会う瞬間」を見たくて選んだ映画館の仕事
大学では映像制作やメディアを学んでいましたが、私が惹かれたのは「作品をつくること」よりも「作品と人が出会う瞬間」でした。コンサートスタッフのアルバイトをしていたとき、目の前ですごく喜んでいたり、感動して泣き崩れたりする人たちを見ていて、エンターテインメントと人が交わる場所って本当に素晴らしいと思いました。中でも映画館を選んだのは、映画館は全国にあり、その土地に根づいて出会いを作る場だから。私自身、ひとつの場所に留まるより、いろんな人や地域に出会いたいタイプだということもあるかもしれません。
最初の配属先である秋田では、知り合いが一人もいない中、友達を作るつもりでとにかく自分から劇場スタッフに話しかけ続けました。そうした中で気づいたのは、若いアルバイトスタッフにとって、年の近い自分は相談しやすい存在だということ。「何のスキルも経験もない新入社員の存在意義はこれだ!」と思いました。
そして、入社から1年半後に門真の新店開業メンバーに応募したときも「若手ならではの強みを生かしたい」と熱烈にアピール。入社してまだ日が浅い新人がメンバーに加えてもらえたのはそのおかげだと思っています。ただ、周りは大劇場で経験を積んできた大先輩ばかり。知識も経験も足りない自分はとにかく勉強するしかないと思って臨みましたが、同時に気づいたのが、これまでの自分がいかに指示待ち人間だったかということです。毎日やることが違う新店開業では、指示を待っていては置いて行かれる。門真での1年半は、とにかく自分が考えて動くことを学んだ1年半でもありました。
またこのとき、社員として50人のアルバイトスタッフを育てたのは本当に貴重な経験でした。初めてアルバイトをする高校生もいる中で「この人たちを素晴らしい環境で働かせてあげたい」と思った気持ちが、今の私の責任感の原点です。
共感が「GOOD MEMORIES」になった『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座 再来』最速上映の夜
門真でしっかり経験を積んだつもりだったのですが、現在のなんばへ移ってきたときには「あ、これはまたイチからやり直しだ」と思いました。都心の大劇場であるなんばは、規模もスピードもまったくの別世界。秋田や門真で起こる1週間分のトラブルが、なんばでは1日に凝縮して起こるような感覚です。IMAXやMX4D、轟音シアターなど多彩なスクリーンを備えているため、覚えることも多くスケジュール管理も複雑。「その日にやるべきことを、その日のうちに終える」ことを徹底しなければやっていけないと痛感しています。
そのような中でも印象に残っているのは『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座 再来』最速上映の夜のことです。大阪のアニメの聖地・日本橋に近いという立地もあり、熱量が高いお客様が多数来場されるだけに、私たちもどうにかして応えたい。そう考えた結果、グッズの販売方法を工夫することにしました。通常のグッズ販売スペースではなく、より広い劇場ロビーの中央にグッズ陳列用什器を並べ、スタッフ総出でまるでお祭りのような雰囲気を作り上げたのです。上映終了後、スクリーンから出てきたお客様が「すごい!」と歓声を上げて並んでくださったときの高揚感は今も忘れられません。
完売してしまったときの言葉は、申し訳なそうにではなく明るく「すみません!」、それから「すごい人気で!」と、お客様の残念な気持ちを共感に変え、笑い合えるように。自分にも「推し」がいるから分かるのですが、そういう共感と会話もまた「GOOD MEMORIES」につながると思うのです。ちなみに私自身はこれまでアニメはあまり見なかったのですが、お客様があまりに楽しそうなので見てみようと思い、すっかりハマってしまいました。ミーハーなんですね(笑)。でも何にでも興味を持って楽しめる人は絶対にこの仕事に向いていると思います。
一方で、最速上映の準備を任されたとき、上司に「やってみな」と言ってもらえるまでには入念な安全対策や動線計画を練りました。何ごとも単に「やりたい」だけではなく「安全面」と「売上」の根拠を示すことが第一歩。何度も却下された経験を経て「どうすれば会社がイエスを出すか」も考えられるようになったと思います。アイデアを通すにはロジックも必要。でもそれがあれば、私のような若手にでもしっかり挑戦させてくれる会社です。
史上最年少の副支配人を目指して、新たな挑戦を重ねたい
なんばは大きな劇場なので、忙しすぎて新しい挑戦ができない面もあります。そもそも、お客様のご来館人数も多く、ストアのグッズもどんどん売れるなど、新たな工夫をするより、それ以前にするべきことが多いとも言えます。だから、次はまた地方の劇場に行き、一つの目標に向かって劇場全体で課題を解決するような活動をしてみたいですね。秋田にいた頃の私にはできなかったけれど、今の私にならできることもあると思っています。そのときのために、やってみたいことをどんどん書き出しているのです。たとえば「みんなで何か一つの飲食物を売る大会をする」というアイデアもその一つです。
そうやって経験を積み、副支配人、支配人とどんどんステップアップしていきたいですね。目標は、30代で支配人になった今のなんばの支配人。たとえば、走り回れるくらい元気な年齢で副支配人や支配人になれたらすごく強いんじゃないかと思うので、まずはそこを目指したいですね!