劇場運営の現場に立ち、ボックス(チケットカウンター)、フロア(館内案内、宣伝素材管理、清掃)、コンセッション(飲食)、ストア(パンフレット、グッズ販売)の各セクションを管理する責任者。仕入や売上、在庫などの販売管理から、サービス向上や販売促進まで幅広く担当する。とくに、アルバイト・パートスタッフの採用やシフト管理、教育や業務指導など人材マネジメントは重要。セクションを構成するさまざまな年齢のスタッフを統率する、高いコミュニケーション能力とリーダーシップが求められる。マネージャートレーニー(訓練生)から採用された場合、社内の昇格試験(年2回実施)に合格して、晴れてマネージャーとなれる。
マネージャーの1日は開場1時間前から始まります。早番担当の社員が出社し、釣り銭の用意や場内の整備などの開場準備を行います。朝礼を終えてお客様をお迎えする準備を整え、オープン!TOHOシネマズ小田原の1日の始まりです。劇場マネージャーの仕事というと、何か特別な業務があると思われがちですが、基本的にはスタッフと同じ現場での接客業務が中心となります。それぞれの担当セクションを中心に、サービスが滞りなく行われるよう常に動き回っています。中には、お客様からいただくクレームへの対応など、神経を使う業務もあります。クレームはないに越したことはありませんが、ご意見をくださるお客様はそれだけ私たちに期待してくださっているということですから、絶対に逃げてはいけない。こうしたハードルをひとつずつ乗り越えるたびに、劇場で働く本当の喜びが分かってくるのだと思います。 華やかなイメージが憧れを誘うエンタテインメント業界ですが、その舞台を裏方で支える私たちの仕事は、このように意外と地味なものです。けれど、そのひとつひとつが「映画」という文化を後世に伝える重要な役割を帯びています。地道で、ハードで、大変だけど、そんなことが帳消しになるほど、楽しい仕事なのです。 一方、午後から勤務がスタートする遅番は、1日の売上集計と現金のチェックが最後の業務。最終回の上映が始まったタイミングですべてのレジを締め、売上金とパソコンと電卓を前に、オフィスワークが始まります。誰でもみんなそうですが、最初は慣れないお金の計算に大苦戦。何回も計算をやり直し、「できた!」と思ったら午前0時を大幅に過ぎていた、なんてこともありました。もちろん、何度も行ううちに要領も覚え、定時に帰れるようになりますけどね。変則的な勤務シフトや繁忙期で残業が続いたりすると、体力的にもきつくなってきますが、私がこの道を選んだのは、9時~5時できっちり仕事を終わりたいからではありません。新卒の就職活動時には夢かなわず、2年越しで恋焦がれた映画興行の世界。しかも舞台は、子ども時代の私をすっかり「映画少年」に育ててくれた、ホームグラウンドでもあるTOHOシネマズ小田原です。自分が「夢」を見つけたこの場所で、お客様の「夢の時間」の演出に携わることができていると思ったら、忙しい毎日も、多少のオーバーワークも、夢の一部。満足そうなお客様の笑顔と出会えるなら、何時間劇場に残ってもいいと、本気で思っています。 私にとっての「GOOD MEMORIES」は、私が子どもの頃に劇場で感じたわくわく感。すべてが特別で、劇場に来ることがとっても楽しみでした。今考えると、映画作品そのものだけでなく、「劇場」という場所がかもし出す雰囲気が好きだったのだと思います。ですから私はスタッフに、「お客様はいつも僕たちを見ているということを、決して忘れないように」と話すようにしています。自分の姿や表情、立ち方、歩き方、話し方など、自分たちのすべてがこの映画館の雰囲気をつくる要素なのだと伝えています。劇場で働くということは、自分が劇場の一部になるということ。私はみんなの良きお手本としてサービスを極め、子どもだった私が憧れた、自分の理想の劇場づくりにつなげていきたいですね。 そのためには、まずは次の社内試験で副支配人に挑戦し、合格を目指したい。そして、もっともっと現場で経験を積んで、劇場の“最高責任者”である支配人になりたいと思います。それまではすべてが夢の通過点。仕事中心の毎日も楽しく乗り越えていけると思います。午前0時にオフィスで見る「夢」は、きっとかなうと信じています。
※所属及びインタビュー内容は取材当時のものです。
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